【韓国文化紹介】ちょっと怖い「タルチュム」の魅力

韓国文化

みなさん、「タルチュム」って知ってますか?

タルチュムは知らなくても、この仮面ならどこかで一度は見たことがあるのではないでしょうか?

今回は、韓国の民俗芸能、「タルチュム」についてご紹介します!

とも大王
とも大王

ひえ〜!お化けじゃ〜!

ホンちゃん
ホンちゃん

違いますよ、とも大王〜これはタルチュムで使われる仮面ですよ。

とも大王
とも大王

たるちゅむ??聞いたことないのう…

「タルチュム」とは?

「タルチュム(탈춤)」とは、韓国において古くから行われてきた「仮面劇」です。タルチュムの「タル」は日本語訳すると「仮面」、「チュム」は「踊り」という意味で、その名の通り、踊りの要素がとても強い演劇です。

地域ごとにさまざまな種類のタルチュムがありますが、中でも「鳳山(ボンサン)タルチュム」が一番有名です。

 

これは、韓国で作成された、「鳳山タルチュム」を紹介する動画です。ナレーションは英語ですが、映像だけを見ても雰囲気は分かっていただけると思います!3分半ほどの短い動画なのでぜひ見てみて下さい^^

 

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「タルチュム」の仮面

 

タルチュムでは、ほとんどの演者が仮面をかぶって演じます。私は始めてこの仮面を見たとき、なんとも言えず笑っている顔や人間離れした色使いの顔がなんとなく怖い…と思ったのですが、みなさんはそう思いませんでしたか?笑

韓国に限らず、アジアには仮面劇の文化が古くから存在しています。日本の仮面劇と言えば、能や伎楽があげられますが、これらは元々、大陸から伝わったものとも言われています。

 

 

タルチュムの主な登場人物は、両班や僧侶、夫婦、翁などですが、中には妾やハンセン病者などが登場する演目もあります。

特に注目する点として、過激な性描写や障害者の描写など、現代の私たちからするとタブーと思われるような場面が描かれているところです。しかしタルチュムの観客はそれらをなんの躊躇なく受け取っています。

タブーと思われることもタブーにならない訳は、この「仮面」のおかげなのではないかな、と私は思っています。もし、演者が仮面をかぶらずに目の前で性的な場面や障害者を演じていたらどうでしょうか…?おそらく、観客はその演者の表情からリアリティーを感じ、生理的な嫌悪感を持ってしまうと思います。しかし、仮面をかぶることで、その人物が抽象化されることによって、観客はその人物に感情移入することなく第三者の視点から客観的に見ることができます。そのため、観客は嫌悪感を感じることなくその場面を見ることが出来るのだと思うのです。

「タルチュム」の醍醐味、風刺性

 

朝鮮時代、人々は4つの身分階級に分かれていました。村の被支配者階級の庶民は、一番身分の高い「両班(ヤンバン)」と言われる人々などによって虐げられてきました。

タルチュムの劇は、そうした支配階級の人たちへの批判や皮肉が込められた内容になっています。

劇中では、庶民が両班を打ち負かしたり、両班をあえてバカっぽく描いたりしながら、庶民の人々が日頃直接言うことのできない不満を代弁しています。つまり、人々が日常生活の中で感じてきた鬱憤を晴らす役割が、「タルチュム」にはあったのです。

タルチュムの観客は、劇中でも自由に掛け声をかけたり、演者と共に踊ったりすることができました。また、演者が観客に話しかけたり、劇中に引き込んだりと、アドリブも頻繁に行われました。こうしたことによって観客と演者の間に一体感・団結心が生まれ、観客は庶民役の人と一緒になって両班を打ち負かす達成感を得ることができました。

 

古くから庶民と共にあった「タルチュム」。

現代の韓国ドラマなどからは感じられない韓国文化を「タルチュム」では感じられると思います!

皆さんもぜひ、「タルチュム」を見てみて下さいね〜!!

 

ライター:SONO

 

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